親のネット銀行、相続の手続きはどうする?店舗がない銀行の進め方

親のネット銀行、相続の手続きはどうする?店舗がない銀行の進め方

親がネット銀行に口座を持っていた場合、相続の手続きはどこへ行けばいいのか。通帳も印鑑もなく、窓口もありません。この記事では、店舗を持たない銀行での進め方と、用意しておくと手続きが軽くなる書類を整理します。

口座がどこにあるか分からない段階なら、先に親の口座、どこにあるか分からないを読んでください。全体の順番はデジタル遺品は何から手をつける?にまとめています。

親の通帳や書類を確認する様子のイラスト
目次

結論:まず電話。連絡した時点で口座は止まります

ネット銀行の相続手続きを4ステップで示した図解

全国銀行協会の案内では、預金の相続は4つの手順で進みます。手続きの申出、必要書類の準備、書類の提出、払戻しです。入口はどの銀行でも同じで、取引のある金融機関に連絡するところから始まります。

ここで知っておきたいのが、連絡した時点で口座が止まるということです。全国銀行協会は、相続の連絡と同時に、亡くなった方の口座での入出金などの取引は原則として制限されると説明しています。楽天銀行も、相続の連絡を受けた時点で手続きの開始となり、口座の利用を停止すると案内しています。

止まること自体は正しい流れです。ただ、公共料金の引き落としもこの時点から止まるので、親の電気・ガス・水道の支払い方法の変更とあわせて考えてください。凍結の仕組みと葬儀費用の扱いは死亡すると銀行口座はいつ凍結される?にまとめました。

ネット銀行で違うのは「窓口が電話と郵送だけ」

手続きの中身は、店舗のある銀行と大きくは変わりません。違うのは、やりとりの経路です。

たとえば楽天銀行の案内では、電話で亡くなった方を知らせると、契約内容を確認したうえで、必要書類の案内が郵送で届きます。そろえた書類を返送し、確認が済んでから払戻しという流れです。窓口に出向いて相談する、という選択肢がありません。

このため、次の2点が実務的に効いてきます。

  • 平日の日中に電話をかける時間を確保しておくこと
  • 書類のやりとりが郵送なので、往復のたびに日数がかかると見込んでおくこと

不備があると再送になり、そのたびに1週間近く進みません。最初の電話のときに、必要書類を一度に全部聞いておくのが近道です。

法定相続情報一覧図があると、戸籍の束が要らない

ここがいちばん効く準備です。

楽天銀行の案内では、法務局が発行する認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」を提出する場合、戸籍謄本の提出は原則として不要とされています。

法定相続情報一覧図は、法務局に戸籍一式を出すと無料で交付を受けられる書類です。銀行が複数あっても、この写しを必要な通数もらっておけば、戸籍の束を銀行ごとに出し直さずに済みます。取り方は相続登記は自分でできる?にまとめました。

証券口座の所在を調べる開示請求でも、この一覧図があるかどうかで費用が6,050円と7,700円に分かれます。銀行でも証券でも効くので、相続の手続きが複数ある家は、最初に取っておくと全体が軽くなります。

見落としやすい2つのこと

手数料は、故人の口座から払えない

残高証明書などを発行してもらう場合、手数料がかかります。楽天銀行では残高証明書が1通524円(税込)です。

注意したいのは支払い方法です。同行の案内では、手数料は指定の口座へ振り込む形で、亡くなった方の口座からは引き落とせないとされています。口座が止まっている以上、当然ではあるのですが、見落としやすい点です。

投資信託や証券は、別の手続きになる

全国銀行協会も、投資信託など預金以外の相続手続きは別になると書いています。ネット銀行はネット証券と口座が連携していることが多く、預金の手続きが終わっても証券の分が残ります。

どこに何があるかの調べ方は親の口座、どこにあるか分からないを参照してください。

なお、必要書類や手数料は銀行によって違います。実際の手続きは、取引のある銀行の案内で確認してください。判断に迷う場合は、司法書士や弁護士への相談も選択肢になります。

わが家の場合

父の口座は、地方銀行とゆうちょだけでした。窓口に行けば担当者が付いて、分からないことはその場で聞けた。あれは恵まれていたのだと、調べていて気づきました。

私自身は、いまはネット銀行がほとんどです。通帳もなければ、郵便物も届かない。妹に「どこの銀行を使っているか」くらいは伝えておこうかと思いはじめています。

親に聞く話だと思っていたことが、そのまま自分に返ってくる。この分野を調べていると、よくこうなります。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 親がネット銀行を使っているか、社名だけ聞いておく
  • 相続の手続きが始まったら、最初の電話で必要書類を全部聞く
  • 銀行が複数あるなら、法定相続情報一覧図を先に取る

出典

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この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

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