親の銀行口座、多すぎませんか?生前に整理するメリットと注意点

親の銀行口座、多すぎませんか?生前に整理するメリットと注意点

給与振込用だった口座、住宅ローンのために作った口座、付き合いで開いた信用金庫の口座。長く生きるほど、口座は増えていきます。親の口座が多いままだと、いざというとき家族の負担が何倍にもなります。この記事では、口座を生前に整理するメリットと、失敗しない順番を紹介します。

目次

結論:相続手続きは「口座の数だけ」発生する

まず知ってほしいのはこの事実です。亡くなった後の銀行の相続手続きは、1回で全部まとめて、とはいきません。金融機関ごとに、戸籍などの書類を揃えて、個別に手続きすることになります。

つまり口座が6つあれば、手続きも6回。凍結の解除(口座はいつ凍結される?で書いたとおり)も口座ごとです。生前に3本に絞ってあれば、家族の手続きは半分になります。口座の整理は、親から家族への実務的な思いやりなのです。

放置口座は「休眠預金」になる

もうひとつ、放置には公式な仕組みが動きます。10年以上取引のない預金は「休眠預金」となり、預金保険機構に移管されて、民間の公益活動に活用される制度があります。

移管された後でも、金融機関に通帳・届出印・本人確認書類を持って手続きすれば引き出せるので、お金が没収されるわけではありません。ただし手続きの手間は増えますし、そもそも家族がその口座の存在を知らなければ、引き出す機会すら来ません。「忘れられた口座」を作らないことが大切です。

整理の順番を間違えない

銀行口座の生前整理4ステップの図解

やってはいけないのは、いきなり解約から始めることです。公共料金の引き落としや年金の受取が残ったまま解約すると、支払いの滞りや受取の空白が起きます。

順番は、書き出す→絞る→移す→解約する。特に「移す」と「解約する」の間には1〜2か月おいて、移し忘れの引き落としがないか通帳で確認してから解約するのが安全です。

なお、口座の解約は原則として本人にしかできません。だからこそ「元気なうち」の話なのです。判断能力が下がってからでは、解約どころか引き落とし口座の変更すら難しくなります。

親への切り出し方

口座の話は、お金の話のなかでは比較的切り出しやすい部類です。「手続きが楽になる」という実利の話だからです。

  • 「使ってない口座、10年放置すると休眠預金になっちゃうらしいよ」と制度の話から入る
  • 記帳のついでに「この口座、最近使ってる?」と聞く
  • 整理した結果はエンディングノートの資産のありかページへ。ここまでがワンセットです

わが家の場合

父は幸い、口座が3つだけの人でした。それでも相続の手続きは3回分。書類を揃えて、窓口に行って、また別の銀行で同じことをして。1口座あたりの労力を身をもって知りました。

その経験から、母とは記帳のついでに口座の棚卸しをして、今は「年金と生活費の口座」「貯蓄の口座」の2本に整理してあります。母の口からは「通帳が減ると、頭の中もすっきりするのね」という感想が出ました。整理は家族のためだけでなく、本人の管理の負担も軽くするのです。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 親の通帳・カードが何枚あるか、ざっと数えてもらう
  • 1年以上使っていない口座に印を付ける
  • 「移してから解約」の順番だけ、親と共有しておく

出典

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

目次