要介護認定の結果に納得できないとき。区分変更申請と審査請求の違い

要介護認定の結果に納得できないとき。区分変更申請と審査請求の違い

思っていたより軽い区分が出た。これでは必要なサービスが使えない。要介護認定の結果に納得できないとき、取れる道は2つあります。この記事では、その違いと、どちらを選ぶかの考え方を整理します。

認定を受けるまでの流れは親の介護が始まったら、最初にやることにまとめました。

書類を確認する様子のイラスト
目次

結論:多くの場合、現実的なのは区分変更の申請です

要介護認定に納得できないときの区分変更申請と審査請求を比べた図解

2つの道は、性質がまったく違います。

区分変更の申請は、市区町村に対して「いまの状態で認定をやり直してほしい」と求めるものです。厚生労働省の案内では、身体の状態に変化が生じたときは、有効期間の途中でも要介護認定の変更の申請をすることができるとされています。

審査請求は、出された処分そのものに不服があるとして、都道府県に置かれた介護保険審査会に申し立てるものです。介護保険法では、要介護認定に関する処分を含む保険給付に関する処分に不服がある者は、介護保険審査会に審査請求をすることができると定められています。

どちらが向いているかは、何に納得できないかで変わります。「調査のときより状態が悪くなっている」なら区分変更、「調査の内容や判定の手続きそのものがおかしい」なら審査請求です。

実務として先に試されることが多いのは区分変更のほうです。もう一度調査を受け、新しい認定が出ます。

区分変更の申請で気をつけたいこと

申請すると、認定調査からやり直しになります。調査員が来て、主治医の意見書も取り直します。

結果として区分が上がることもあれば、変わらないこともあります。下がる可能性もゼロではありません。いまの区分で足りているサービスがある場合は、ケアマネジャーと相談してから決めてください。

調査の日は、ふだんの状態を知っている家族が立ち会うのが大切です。高齢の方は、調査員の前だと気を張ってしっかり受け答えしてしまうことがあります。できないことを本人が言いにくい場面では、家族が補うほうが実態に近づきます。

困っている場面をメモしておくと、当日に伝えやすくなります。夜間に何回起きるか、入浴に介助がどれくらい要るか。数字と頻度で書いておくのがこつです。

審査請求には期限があります

審査請求を選ぶ場合、期限に注意が必要です。

行政不服審査法では、処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときはできないと定められています。正当な理由がある場合は例外とされていますが、原則はこの3か月です。

また、介護保険法では、処分の取消しの訴えは、その処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起することができないとされています。いきなり裁判にはならず、まず審査会を通す仕組みです。

介護保険審査会は各都道府県に置かれています。手続きの方法は都道府県によって案内が異なるので、通知書に書かれた問い合わせ先か、市区町村の介護保険の窓口で確認してください。

有効期間を切らさないことも大事です

納得できないかどうかとは別に、認定には期限があります。

厚生労働省の案内によると、有効期間は新規と変更の申請で原則6か月(状態に応じて3〜12か月)、更新の申請で原則12か月(状態に応じて3〜48か月)と設定されます。

そして、有効期間を経過すると介護サービスが利用できなくなります。更新の申請は、満了までに済ませてください。

区分変更の申請をすると、そこから新しい有効期間が始まります。更新の時期と重なっているときは、どちらの手続きになるのかをケアマネジャーに確認しておくと混乱しません。

認定区分が変われば、使えるサービスの量の上限も変わります。仕組みは介護保険で使えるサービスに、自己負担の上限は高額介護サービス費にまとめました。

個別の判断は状況によって変わります。迷う場合は、担当のケアマネジャーか市区町村の窓口に相談してください。

わが家の場合

母はまだ認定を受けていないので、この話も先取りです。

ただ、調べていて引っかかったのは、調査の日に家族が立ち会うという点でした。母は、人が来ると背筋が伸びる人です。体調が悪い日でも、来客があれば「大丈夫よ」と言う。

その「大丈夫よ」が、そのまま記録になってしまうのだとしたら。立ち会うかどうかは、たぶん結果を左右します。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 認定の通知書を見て、有効期間がいつまでかを確認する
  • 結果に納得できないなら、まずケアマネジャーに相談する
  • 調査の日は、困っている場面を頻度と数字でメモして渡す

出典

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

目次