親の戸籍はどこで取る?最寄りの窓口でまとめて請求できます

親の戸籍はどこで取る?最寄りの窓口でまとめて請求できます

相続の手続きでは、親の出生から死亡までの戸籍を求められます。本籍が何度も変わっていると、各地の役所に1通ずつ郵送で請求することになる。そう思っていたら、2024年に制度が変わっていました。この記事では、何がどこまで変わったのかを法務省の案内で確認します。

集めた戸籍をどう使うかは相続登記は自分でできる?にまとめました。ここは、集める段階の話です。

目次

結論:親の戸籍なら、最寄りの窓口で全国分まとめて取れます

戸籍の広域交付で取れるものと取れないものを比べた図解

法務省の案内によると、令和6年3月1日から戸籍法の改正が施行され、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになりました。広域交付と呼ばれています。

説明は2つの言葉で整理されています。

「どこでも」。本籍地が遠くにある方でも、お住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で請求できます。

「まとめて」。ほしい戸籍の本籍地が全国各地にあっても、1か所の市区町村の窓口でまとめて請求できます。

親が結婚や転勤で本籍を移していると、出生から死亡までの戸籍は何通にも分かれます。以前はそれぞれの市区町村に定額小為替と返信用封筒を送って、往復で何週間もかけていました。それが1か所で済むということです。

使えるのは4つの立場だけです

ただし、誰でも使えるわけではありません。

法務省の案内では、請求できるのは本人、配偶者、父母や祖父母など(直系尊属)、子や孫など(直系卑属)の戸籍証明書等とされています。

親の戸籍を子が取るのは直系なので使えます。逆に、見落としやすいのが横の関係です。

福岡法務局の案内では、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に当たらない方が他人の戸籍を取る場合は、自己の権利の行使または義務の履行のために必要な方などに該当する必要があり、その場合の請求窓口は本籍のある市区町村だとされています。例として「亡くなった兄弟姉妹の相続人となった方が、兄弟姉妹の戸籍謄本を請求する場合」が挙げられています。

子のいない叔父や叔母の相続で、きょうだいが相続人になる。こういう場面では広域交付は使えません。従来どおり本籍地に請求することになります。

手続きの方法にも条件があります。法務省の案内では、請求できる方が市区町村の戸籍担当窓口に来て請求する必要があり、郵送や代理人による請求はできないとされています。本人確認は顔写真付きの身分証明書に限られ、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどが挙げられています。

健康保険証だけを持って行くと、窓口で止まります。

広域交付で取れないもの

もうひとつ、知らないと二度手間になるところがあります。

法務省の案内には、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は除く、一部事項証明書や個人事項証明書は請求できない、と注記されています。

福岡法務局の案内では、対象外として抄本、個人事項証明書、一部事項証明書に加えて、戸籍の附票が挙げられています。

戸籍の附票は、その戸籍にいた間の住所の履歴が載っている書類です。亡くなった方の住所をたどる場面で必要になることがあります。これが広域交付の対象外なので、必要な場合は本籍地の市区町村に請求することになります。

古い戸籍が紙のまま残っている場合も同じです。手書きの改製原戸籍などは、その役所でないと出せません。窓口で「ここまでは出せますが、この分は本籍地へ」と言われることがある、と思っておくと落ち着いて対応できます。

必要な通数や取り方の細かい運用は市区町村で異なります。行く前に電話で確認しておくと確実です。

集めた後は、1枚にまとめられます

戸籍が揃ったら、次に進めると楽になる手続きがあります。

法務局に戸籍一式を出すと、法定相続情報一覧図の写しを交付してもらえます。相続登記だけでなく、銀行や年金、保険の手続きでも使える書類です。戸籍の束を窓口ごとに出し直す必要がなくなります。詳しくは相続登記は自分でできる?に書きました。

ネット銀行の相続手続きでも一覧図があると進めやすくなります(親のネット銀行、相続の手続きはどうする?)。手続き全体の期限は親が亡くなった後の手続き一覧にまとめています。

名義が祖父母の代のままで、たどる戸籍がさらに増えそうな場合は実家の名義が祖父母のままも見ておいてください。

わが家の場合

父のときは、まだこの制度がありませんでした。

母と手分けして、本籍地の役所に定額小為替を買って送って、返ってきた戸籍を見て「まだ前がある」と気づいてまた送る。これを何度か繰り返しました。郵便局で小為替を買うところから面倒だったのを覚えています。

いま同じことをするなら、たぶん区役所に1回行けば済む。制度が変わっても、変わったことを知らなければ恩恵は受けられないのだと思いました。母の実家のほうは祖父の代のままなので、そのときはまた別の苦労がありそうですが。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 親の本籍地がどこか、いま聞いておく(請求のときに必要です)
  • 戸籍を取りに行く前に、顔写真付きの身分証明書を用意する
  • きょうだいの相続に関わる場合は、本籍地への請求になると覚えておく

出典

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この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

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