墓じまいとは?流れ・費用・親との話し合い方

墓じまいとは?流れ・費用・親との話し合い方

「お墓が遠くて、もう何年も行けていない」「自分たちの代で守りきれるだろうか」。墓じまいという言葉が気になり始めるのは、たいていこんなときです。この記事では、墓じまいの基本の流れと費用、そして何より大事な「親や親族との話し合い方」を整理します。

墓じまいは、遺骨の行き先を決める話の一部です。葬儀からの流れ全体は親を見送るときの葬儀とお墓にあります。

目次

結論:墓じまいは「お墓の引っ越し」。手続きより話し合いが本体

墓じまいとは、今のお墓を撤去して更地に戻し、遺骨を新しい供養先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬など)へ移すことです。法律上は「改葬」と呼ばれ、市区町村の許可を得て行う正式な手続きがあります。

この「新しい供養先」をどう選ぶかは、実は墓じまいでいちばん難しいところです。選択肢の整理は墓じまいの後、遺骨はどこへ?改葬先6つの選択肢と選び方にまとめました。

海に還すことを考えている場合は、海洋散骨とは?費用の目安と業者の選び方で方法と費用を確認してください。墓じまいと散骨は別の手続きなので、順番を決めておく必要があります。

先に全体像をつかんでください。

墓じまいの流れ5ステップの図解

役所の手続き自体は難しくありません。墓じまいの本当の難所は、最初のステップ、つまり家族・親族との合意です。お墓は「家」の象徴でもあるため、独断で進めると深刻な親族トラブルになります。時間配分のイメージは「話し合い8割、手続き2割」。全体でスムーズでも2〜3か月、話し合いに時間がかかれば半年以上かかることもあります。

兄弟姉妹との話し合いの進め方そのものは、兄弟姉妹で実家の話をどう進める?もめる原因は、お金より「偏り」にまとめました。

手続きと費用の目安

手続きの中心は改葬許可の申請です。墓地、埋葬等に関する法律では、改葬を行おうとする者は市町村長の許可を受けなければならないとされ、その許可を出すのは遺骨が現にある場所の市町村長と定められています。つまり申請先は、新しい納骨先ではなく今のお墓がある市区町村です。

同法の施行規則では、申請書に添える書類として次のものが挙げられています。

  • 改葬許可申請書:死亡者の本籍・氏名、改葬の理由、改葬先などを書く
  • 埋葬(埋蔵・収蔵)の事実を証する書面:今の墓地・納骨堂の管理者が作成する
  • 墓地使用者以外が申請する場合:墓地使用者の承諾書
  • そのほか市町村長が特に必要と認める書類

新しい納骨先が出す「受入証明書」は、法令が一律に求めているものではなく、この最後の項目として自治体が求める場合があります。何が要るかは、申請先の市区町村の案内で確認してください。

役所の手数料は市区町村によって異なり、無料のところもあります。横浜市の案内では、改葬許可証の手数料は無料とされています。一方で、埋蔵証明の発行に墓地の管理者への手数料がかかる場合があります。

費用の中心は役所ではありません。墓石の撤去工事(石材店へ依頼。お墓の大きさや立地で大きく変わるため、必ず複数社で見積もりを)と、新しい納骨先の費用、お寺での閉眼法要のお布施です。

移転先で新しくお墓を建てる場合の選び方はデザイン墓石とは?お墓を新しく建てるときの選び方をどうぞ。

お寺の墓地の場合は、これまでの感謝を伝えたうえで丁寧に相談することが大切です。長年供養してもらった関係を、事後報告で終わらせないこと。トラブルの多くは、手続きの不備ではなく伝え方から起きています。

親とどう話すか

親子でお墓参りをする様子のイラスト

墓じまいには、もうひとつ大事な話し合いの相手がいます。親です。お墓を「守れない」と切り出すことに、後ろめたさを感じる方は多いはずです。

おすすめは、「守れない」ではなく「ちゃんと供養したい」を主語にすることです。「遠くて行けないままにするより、近くでお参りできる形にしたい」という言い方なら、お墓を粗末にする話ではなく、供養を続けるための話になります。実際、それが墓じまいの本質です。

親が元気なうちに意向を聞けるなら、それがいちばんです。親が元気なうちに聞いておきたい10のことの8番目「葬儀とお墓の希望」は、まさにこの話です。切り出し方の基本は終活の話し方も参考にしてください。

なお、菩提寺との付き合いは葬儀の進め方そのものを左右します。詳しくは親の葬儀、事前に決めておく5つのことをどうぞ。

わが家の場合

父方のお墓は、車で3時間の山あいにあります。母と「いつまで通えるかね」という話は出るものの、結論はまだ出ていません。

ただ、先日のお墓参りの帰りに「お母さんはどうしてほしい?」と聞いたら、「私は近くの納骨堂でいいわよ。あんたたちが来やすいところが一番」と、あっさり返ってきました。勝手に悩むより、聞いてみるほうが早い。お墓の話も、結局はいつもの結論に行き着きます。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 今のお墓の「管理者が誰か」(お寺か霊園か公営か)を確認する
  • 親に「お墓、将来どうしたい?」を一度だけ聞いてみる
  • 兄弟姉妹に「墓じまいという選択肢もあるらしい」と共有しておく

出典

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この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

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