実家に電話をかけて出ないと、少し心配になる。かといって毎日確認するわけにもいかない。離れて暮らす親がいる方の多くが抱える、この落ち着かなさを解消する手段が見守りサービスです。この記事では、どんな種類があるのか、どう選べばいいのかを整理します。

結論:選ぶ軸は「親の負担」と「気づける速さ」
見守りサービスは種類が多く、比較サイトを見ると数十のサービスが並んでいて逆に迷います。ただ、選ぶ軸はシンプルです。

親に何もさせない方法をとるか、人が関わる方法をとるか。前者は親の負担がなく続けやすい代わりに、異変に気づくのは事後になります。後者は安心感が大きい代わりに、費用が高く、親が窮屈に感じることもあります。
どちらが正解ということはなく、親の性格と、家族がいちばん不安に思っていることで決まります。
主な5つのタイプ
1. センサー型
人感センサーやドアの開閉センサーを室内に設置し、生活の動きがあるかを検知します。動きが一定時間ないと家族に通知が届く仕組みです。ALSOKやセコムなどの警備会社が提供しているほか、簡易なものは月額数百円程度から選べます。
親は何も操作しなくてよいのが最大の利点です。カメラと違って映像を撮らないため、抵抗感も少なめです。
2. カメラ型
室内カメラで様子を確認できます。異変に気づける速さは随一ですが、親が「監視されている」と感じやすいタイプでもあります。導入するなら、玄関やリビングの一部に限る、親自身に納得してもらう、といった配慮が要ります。
3. 電気・ガスなど生活インフラ型
電気ポットの使用や電力の使用状況から生活パターンを把握し、変化があれば通知します。専用の機器を最小限で済ませられ、親の生活も変わりません。
4. 訪問・電話型
日本郵便の「郵便局のみまもりサービス」が代表的です。郵便局の社員が月1回訪問して生活状況を家族に知らせる「みまもり訪問サービス」と、毎日自動音声で電話をかけて体調を確認しメールで知らせる「みまもりでんわサービス」があります。
機械が苦手な親でも受け入れやすいのが利点です。料金は公式サイトで確認してください(2026年8月時点で、訪問とでんわを両方契約した場合の月額が案内されています)。
5. 駆けつけ型
異常時に警備員が実際に駆けつけます。費用はいちばん高くなりますが、通知が来ても自分がすぐ動けない遠方の家族にとっては、現実的な選択肢になります。
選ぶ前に考えたい3つのこと
- 何が心配なのかを言葉にする。「倒れて気づかれないこと」なのか「詐欺被害」なのか「孤独」なのか。心配の中身によって選ぶタイプが変わります
- 親の同意を取る。黙って設置すると、後で分かったときに強い反発を招きます。切り出し方は親の終活、どう切り出す?と同じ要領で、心配していることを自分の言葉で伝えるのが結局いちばん通ります
- 自治体のサービスを先に調べる。多くの市区町村が、緊急通報装置の貸与や配食に合わせた安否確認などを、無料または低額で行っています。民間サービスを検討する前に、実家の自治体の高齢福祉窓口や地域包括支援センターに問い合わせてみてください
サービス以外の見守りもある
機器を入れるほどではない、という段階なら、日常の中に確認のきっかけを作る方法もあります。
宅配や生協の定期便を利用していれば、配達の人が週1回顔を合わせることになります。買い物の負担を減らしながら、緩やかな見守りにもなる形です。新聞の購読や、決まった曜日の電話も同じ役割を果たします。
「見守りのために何かを始める」より、「もともと必要なことに、見守りの機能を持たせる」ほうが、親も構えずに続けられます。
そして、見守りで「変化」に気づいたときの相談先も、先に知っておいてください。親の介護が始まったら、最初にやることで、地域包括支援センターへの相談から要介護認定までの流れをまとめています。
認定を受けた後に使えるサービスは介護保険で使えるサービス。訪問・通所・ショートステイの使い分けと自己負担をどうぞ。
わが家の場合
母には何も導入していません。心配していないわけではなく、母がまだ元気で、本人が嫌がるからです。
代わりにしているのは、火曜と金曜の夜に電話することだけ。決めた曜日にかけると、出ないときにすぐ気づけます。先日かけて出なかったときは血の気が引きましたが、風呂に入っていただけでした。
この程度でも、何もしないよりずっと落ち着きます。サービスを入れるかどうかの前に、まず「気づける仕組み」を家族の習慣として作る。それが最初の一歩でいいのだと思います。
今日やることは、これだけ
- 何がいちばん心配なのか、家族で言葉にしてみる
- 実家の自治体に見守りの支援制度がないか調べる
- 週に何曜日に連絡するか、まず自分たちのルールを決める
