デジタル遺品は何から手をつける?探す・止める・残すの順番と費用

デジタル遺品は何から手をつける?探す・止める・残すの順番と費用

親が亡くなった後、スマホやパソコン、ネット上の契約をどうするか。デジタル遺品は種類が多く、どれから手をつければいいのか分かりにくい分野です。この記事は、全体の順番と費用の目安をまとめた案内役です。個別の手続きは、それぞれの記事へ進んでください。

ネット銀行の預金は、見つけた後の手続きも郵送と電話だけで進みます(親のネット銀行、相続の手続きはどうする?)。

親のスマホやパソコンを前にする様子のイラスト
目次

結論:「手を止める→探す→止める→残す・消す」の順で進める

デジタル遺品を手を止める・探す・止める・残す消すの順に進める4ステップの図解

いちばん多い失敗は、いきなりスマホを開けようとすることです。

パスコードの入力を繰り返すと、設定によっては中のデータが消えることがあります。焦って触る前に手を止める。これが最初の一歩です。詳しくは親のスマホ、亡くなった後にロック解除できる?にまとめました。

そのうえで、探す、止める、残す・消すの順に進みます。理由は単純で、探さないと止められず、止める前に機器を手放すと取り返しがつかないからです。

デジタル遺品そのものの全体像や、放置するとどうなるかはデジタル遺品とは?で整理しています。

3つの段階でやること

探す:どこに何があるかを洗い出す

手がかりは紙とスマホの両方にあります。

  • 郵便物(取引残高報告書、保険や証券会社からの案内、税務署の通知)
  • 通帳の引き落とし履歴とクレジットカードの明細
  • 親のスマートフォンとパソコン、メールの受信箱

ネット専業の銀行や証券会社は郵便物がほとんど届かないため、手がかりがスマホとメールに集中します。ただし、資産の種類によっては制度で調べられるものもあります。証券口座は証券保管振替機構への開示請求、生命保険は生命保険協会の照会制度です。銀行預金には横断的な照会の仕組みがありません。

この違いと手順は親の口座、どこにあるか分からないにまとめました。

止める:お金が動いている契約から

止める順番にもコツがあります。先にカードを止めてしまうと、引き落としが失敗して契約の解約手続きが進めにくくなることがあります。順番は故人のサブスク・ネット契約、解約はどう進める?を参照してください。

  • サブスクや有料サービス … 使っていなくても解約するまで支払いが続きます
  • スマホ決済の残高、ポイント、マイル … 扱いが種類ごとに違います(詳しくはこちら)
  • 携帯電話 … 解約と承継の2つの道があります。急ぐ必要はありません

携帯を最後のほうに置いているのは、番号が生きているうちのほうが、本人確認や連絡の面で動きやすいことがあるからです。

残す・消す:取り出すものを決めてから手放す

写真や連絡先は、機器の中にしかない場合があります。取り出すものを決めてから、機器の処分に進んでください。

初期化はデータを消しているとは限りません。この点だけは、手放す前に確認しておいてください。

費用はどれくらいかかるか

自分で進める場合でも、制度を使うと手数料がかかります。代表的なものを挙げます。

手続き費用(2026年9月時点)
証券口座の開示請求6,050円または7,700円
生命保険契約の照会WEB6,000円/書面7,000円
法定相続情報一覧図の交付無料

証券口座の開示請求は、法定相続人が請求する場合、法定相続情報一覧図があれば6,050円、なければ7,700円です(2026年10月1日の改定後の金額)。一覧図は法務局で無料で交付を受けられるので、先に取っておくと差額が出ません。

業者に頼む場合は、大きく2つの型があります。生前に「消すもの」と「遺すもの」を託す型と、亡くなった後に機器を調べてもらう型です。前者の代表例は買い切りで330,000円(税込)、後者は着手金と成果報酬という形が多く見られます。

それぞれの仕組みと選び方はデジタル遺品の整理をプロに頼むには?で比較しました。

親が元気なうちにできること

ここまでは亡くなった後の話ですが、いちばん効くのは生前の準備です。

やることは多くありません。契約している銀行・証券会社・保険会社の「社名だけ」を聞いておく。スマホのパスコードを家族が確認できる状態にしておく。この2つで、後の手間はかなり減ります。

書き留める場所に迷うならエンディングノートの書き方のデジタル項目から始めてください。切り出し方に困る場合は親の終活、どう切り出す?も参考になります。

わが家の場合

父のスマホは、最後までロックを解除できませんでした。何十年分の連絡先も写真も、中に残ったままです。

当時の私は、この順番を知りませんでした。まず開けようとして、何度もパスコードを入れて、それから途方に暮れた。順番を知っていれば結果が変わったかは分かりませんが、少なくとも最初の数日をもっと落ち着いて使えたはずです。

母に対しては、パスコードの話だけ済ませてあります。深刻な顔をせずに「私が困るから」とだけ伝えました。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • すでに困っている場合は、スマホのパスコード入力をいったん止める
  • 親が元気なら、銀行・証券・保険の「社名だけ」を聞く
  • 関係しそうな手続きの記事をひとつ開いて、次の一歩を決める

出典

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この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

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