亡くなった親とのLINEのトーク。何気ないやり取りが、いちばんの形見になることがあります。一方で、放置されたアカウントには不安も残る。この記事では、故人のLINEアカウントがどうなるのか、残す場合と消す場合それぞれの考え方と手続きを整理します。
結論:LINEに公式の「引き継ぎ機能」はない
まず前提から。LINEのアカウントは本人だけのもので、家族が正式に引き継ぐ公式の仕組みはありません(2026年8月時点)。FacebookやAppleのような追悼アカウントや遺産管理の制度も、LINEには用意されていません。
つまり選択肢は実質2つ。そのまま残すか、LINEに削除を依頼するかです。

どちらが正解ということはありません。ただ、判断の前に知っておきたいことがいくつかあります。
トーク履歴は「端末の中」にしかない
大事なのはここです。親とのトーク履歴を見られるかどうかは、故人のスマホ本体が開けるかどうかにかかっています。
LINEはトーク履歴を遺族に提供する手続きを用意していません。スマホのロックが開けば、端末の中のトークや写真はこれまでどおり見られます。逆にロックが開かなければ、トーク履歴に触れる方法は事実上ありません。スマホのロックについては親のスマホ、亡くなった後にロック解除できる?で詳しく書いたとおりです。
残したいトークや写真がある場合は、アカウントの削除を考える前に、端末側で保存(スクリーンショットやトークのバックアップ、写真の書き出し)を済ませてください。削除依頼が受理されると、トーク履歴もアカウントも元に戻せません。
削除を依頼する場合の手続き
アカウントを消すと決めた場合は、LINEの問い合わせフォームから遺族として削除を依頼します。本人確認や死亡の確認書類の提出を求められる場合があります。フォームの場所や必要書類は変わることがあるので、LINEの公式ヘルプで「アカウント削除」を検索して、最新の案内に従ってください。
「急いで消す必要があるのか」と迷ったら、リスクで考えてください。放置されたアカウントの心配は、乗っ取りや、故人の名前での不審なメッセージ送信に悪用されることです。何年も放置するつもりなら削除依頼を、気持ちの整理がつくまで残すなら、それも自然な選択です。
いちばんの備えは「生前のひと言」
この記事で書いたことは、裏を返せば「本人が生前に決めておけば、家族は迷わない」ということでもあります。
エンディングノートのデジタル項目に「LINEは消していい」「写真だけ残して」と一行あるだけで、家族の迷いは消えます。書き方はエンディングノートの書き方|デジタル項目のテンプレ付きを参考にしてください。デジタル遺品全体の考え方はデジタル遺品とは?にまとめています。
わが家の場合
父のスマホは開けなかったので、父とのLINEは、私の端末に残った側のトークだけが手元にあります。旅行の集合時間のやり取りとか、「みかん送った」だけの一言とか。特別なことは何も書いていないのに、消せないままです。
アカウントをどうするかより先に、自分の端末のトークをバックアップしたのを覚えています。形見は向こうのアカウントではなく、こちらの画面の中にもある。それがわが家の実感です。
今日やることは、これだけ
- 残したいトークがあるなら、まず自分の端末側でバックアップする
- 故人の端末が開くうちに、写真・トークの保存を済ませる
- 親が元気なら、エンディングノートに「LINEをどうしたいか」を一行書いてもらう
出典
- クロフネ行政書士事務所「故人のLINEアカウント、引き継ぎはできる?」
- LINE公式ヘルプ(アカウントの削除に関する案内・2026年8月時点)
