キャッシュレスの時代、親の「お金」は銀行口座だけではなくなりました。スマホ決済の残高、貯まったポイント、航空会社のマイル。これらは亡くなった後、どうなるのでしょうか。この記事では、種類ごとの傾向と、失効させないための注意点を整理します。

結論:「現金性のあるもの」は残り、「おまけ」は消える
サービスごとに規約は異なりますが、大きな傾向はシンプルです。現金からチャージした残高のような「お金に近いもの」は相続の対象になりやすく、買い物のおまけとして付いたポイントは、規約で「本人限り」とされて消えるのが一般的です。
| 種類 | 傾向 | 注意点 |
|---|---|---|
| スマホ決済の残高 | 現金チャージ分は相続できる場合がある | 特典由来のポイント分は消滅することが多い |
| 共通ポイント(楽天・Ponta・dポイント等) | 原則、相続できない | 規約で一身専属とされるのが一般的 |
| 航空マイル(ANA・JAL) | 法定相続人が引き継げる場合がある | 期限に注意。ANAは死亡から6か月以内の手続き |
たとえばPayPayでは、現金からチャージした残高(PayPayマネー)は相続の手続きができるとされていますが、特典でもらったポイントは対象外です。ANAのマイルは法定相続人が引き継げますが、亡くなってから6か月以内に手続きしないと失効します(いずれも2026年8月時点の各社案内より。最新の条件は必ず公式サイトで確認してください)。
失効させないための3つの注意
- 期限のあるものから動く。特に航空マイルは手続き期限が明確です。親がマイルを貯めていた記憶があるなら、優先順位を上げてください
- 「何を使っていたか」が全ての入り口。残高もマイルも、サービスの存在を家族が知らなければ請求できません。スマホの決済アプリ、財布の中のポイントカード、クレジットカードの明細がヒントになります
- 問い合わせは「相続手続きをしたい」と明確に。各社のサポート窓口に死亡の事実を伝えると、必要書類(戸籍関係など)を案内してもらえます。携帯電話の解約より先に、決済アプリの確認を済ませるのが安全です
金額は小さくても、放置しない理由
「数千ポイントのために戸籍を揃えるのは割に合わない」。そう感じる場面は正直あります。無理にすべてを回収する必要はありません。
ただ、スマホ決済の残高は数万円単位になっていることも珍しくありません。そして残高が残ったままのアカウントは、LINEアカウントと同じく、放置による悪用リスクも抱えます。「いくら残っているかだけ確認して、回収するかは金額で決める」。この構えが現実的です。
生前の備えとしては、いつものあの一冊です。エンディングノートのデジタル項目に「使っている決済アプリ」「貯めているマイル」の2行を足しておいてもらいましょう。
わが家の場合
父はキャッシュレスとは無縁の人でしたが、財布には数枚のポイントカードがありました。調べる気力もなく、そのまま処分したのが正直なところです。
一方で母は、スマホ決済を使いこなす人です。先日「チャージってどのくらい入れてるの?」と聞いたら「2万円くらいかね」と。数千円だと思い込んでいたので、少し驚きました。親のキャッシュレス化は、こちらの想像より進んでいます。だからこそ、この記事のテーマは「うちには関係ない」で済まなくなってきているのです。
今日やることは、これだけ
- 親が使っている決済アプリを1つずつ聞いてみる
- 航空マイルを貯めているか確認する(期限があるのはここ)
- エンディングノートに「決済アプリ」「マイル」の2行を追加してもらう
