墓じまいの後、遺骨はどこへ?改葬先6つの選択肢と選び方

墓じまいの後、遺骨はどこへ?改葬先6つの選択肢と選び方

墓じまいをすると決めても、そこで終わりではありません。取り出した遺骨を、次にどこへ納めるか。実は、ここがいちばんの難所です。この記事では、改葬先の選択肢を整理し、後悔しないための分かれ道がどこにあるのかを解説します。

親子でお墓参りをする様子のイラスト
目次

結論:分かれ道は「遺骨を、後から動かせるか」

改葬先はいくつもありますが、選ぶときに本当に効いてくる軸はひとつです。その遺骨を、あとで動かせるかどうか。

改葬先を個別に残す・合祀する・お墓を持たないの3つで比較した図解

これが難所であることは、数字にも出ています。改葬を検討・実施した方への調査で、大変だったことの1位は「遺骨の引っ越し先選び」で38.8%。役所の手続き(32.3%)を上回りました(鎌倉新書・2026年)。

手続きより、行き先を決めるほうが難しい。墓じまいの流れそのものは墓じまいとは?流れ・費用・親との話し合い方にまとめたので、この記事はその次の話です。

なお、改葬は増え続けています。厚生労働省の統計では2024年度の改葬件数は176,105件で、過去最多となりました。特殊な選択ではなくなっています。

改葬先6つの選択肢

選択肢特徴遺骨を動かせるか
永代供養墓(合祀)他の方と同じ場所に納める。承継者が不要動かせない
永代供養墓(個別安置)一定期間は個別に安置し、その後合祀される形が多い期間内は動かせる
樹木葬樹木や花を墓標とする。合同区画と個別区画がある区画による
納骨堂屋内に個別で納める。天候に関係なくお参りできる動かせる
新しくお墓を建てる自宅の近くに移す。お参りの場を残せる動かせる
散骨・手元供養海や山に撒く、あるいは自宅で保管する散骨した分は戻せない

実際に選ばれているのは、永代供養(合祀・合葬墓)が43.2%と最も多く、次いで樹木葬24.1%、別の墓石があるお墓(一般墓)14.3%、納骨堂13.3%という順です(同調査)。

お参りの場を残すために新しくお墓を建てる場合、何を基準に選ぶかはデザイン墓石とは?お墓を新しく建てるときの選び方にまとめました。

費用は「31万円〜70万円」が最多で31.3%、およそ半数が70万円以下で完了しています。ただしこれは新しい納骨先の費用だけでなく、墓石の撤去や法要も含めた改葬全体の金額です。

散骨については、厚生労働省が2021年に事業者向けのガイドラインを公表しています。法律で正面から禁止されているわけではありませんが、自治体によっては条例で場所を制限している場合があります。検討する場合は、事業者と、撒く場所の自治体の両方に確認してください。

「合祀」だけは、元に戻せない

改葬先の中で、ひとつだけ性質が違うのが合祀です。

合祀とは、他の方の遺骨と同じ場所に合わせて納めることです。承継者が不要で費用も抑えられるため選ばれやすい一方、一度合わせた遺骨は取り出せなくなります。あとから「やはり手元に置きたい」「子どもの近くに移したい」と思っても、戻せません。

気をつけたいのは、個別安置をうたう永代供養墓にも期限がある場合が多いことです。「33回忌まで個別、その後は合祀」といった形が一般的で、期限を過ぎると自動的に合祀されます。契約前に、個別安置の期間と、その後どうなるかを必ず確認してください。

親族の中に「お墓参りに行きたい」という人がいる場合も、慎重に。合祀すると個別のお参りの場はなくなります。手続きは元に戻せなくても、話し合いは先にできます。

決める前に確認したい3つ

  1. 誰がお参りするか。自分たちだけなのか、きょうだいや親族も来るのか。来る人がいるなら、その人が通える場所かどうかが最優先です。改葬の動機の1位は「お墓が遠方にあること」(52.0%)。せっかく移すのに、また遠い場所を選んでは意味がありません
  2. 次の代に何を残すか。承継者がいないなら永代供養や合祀が合いますが、子や孫がお参りしたいと言う可能性があるなら、動かせる形を選んでおくほうが安全です
  3. 菩提寺との関係。お寺の墓地から移す場合、離檀の相談が必要になります。事後報告にしないことがトラブルを避ける最大のこつです。お寺との付き合い方は親の葬儀、事前に決めておく5つのことにも書きました

なお、宗教や供養の形に正解はありません。この記事の内容は一般的な情報であり、具体的な手続きや費用は霊園・お寺・自治体によって変わります。契約前に必ず現地で確認してください。

わが家の場合

父方のお墓は車で3時間の山あいにあります。母は「私は近くの納骨堂でいいわよ」と言いますが、では父の遺骨をどうするのか、という話にはまだ手をつけていません。

先日、妹と初めてその話をしました。妹の意見は「合祀は嫌」でした。理由を聞いたら、「お父さんに会いに行く場所がなくなるのは寂しい」と。私は正直、費用と管理のことしか考えていませんでした。

移す先を決めるのは、お金と手間の問題だと思っていました。でも実際には、残された側がどこへ会いに行きたいか、という話なのだと思います。まだ結論は出ていませんが、妹の一言を聞けただけで、この話をした意味はありました。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 改葬を考えているなら、まず「誰がお参りに来るか」を家族で確認する
  • 候補の霊園に、個別安置の期間とその後どうなるかを問い合わせる
  • お寺の墓地なら、離檀の相談を早めに切り出す

出典

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この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

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