帰省するたびに、モノが増えていく実家。「いつか片づけないと」と思いながら、つい先送りにしていませんか。実家の片づけは、親が元気なうちに始めるかどうかで、大変さがまったく変わります。この記事では、もめずに進める順番と、今日からできる最初の一歩を紹介します。

結論:目的は「捨てる」ではなく「把握する」
最初に押さえたいのは、実家の片づけの本当の目的です。部屋をすっきりさせることではなく、「どこに何があるかを親子で把握すること」。これに尽きます。
権利証はどこにあるのか。通帳と保険証券は。形見にしたいものはどれで、処分していいものはどれか。これが分かっているだけで、将来の手続きも、遺品の整理も、家族の話し合いも、驚くほど軽くなります。逆にここが分からないと、いざというとき家族は「全部の引き出しを開けて回る」ことになります。
元気なうちに始める3つの理由
- 親自身が判断できる。「これは残す、これは処分していい」を決められるのは本人だけです。あとから家族が推測で決めるのは、想像以上に心の負担になります
- ゆっくりやれる。月に一度の帰省で1か所ずつ、というペースが許されるのは今だけです。期限に追われる片づけは、体力的にも精神的にも消耗します
- もめごとの予防になる。誰が何を受け継ぐかを本人の口から聞いておけることは、後々の家族間の行き違いを防ぐいちばんの保険になります
進め方は、この順番で

ポイントは2つあります。まず、小さく始めること。「今日は仏壇の引き出しだけ」くらいの範囲なら、親も付き合ってくれます。家全体を一気にやろうとすると、ほぼ確実に途中で険悪になります。
もうひとつは、迷ったものをその場で決めないこと。「使う・思い出・不明」の3つに分けて、不明のものは保留箱へ。判断を先送りにするのは悪いことではなく、片づけを続けるためのコツです。
切り出し方に迷う場合は、親の終活、どう切り出す?気まずくならない話し方も参考にしてください。片づけは終活の話題のなかでも、いちばん自然に始めやすい入り口です。
絶対にやってはいけないこと
親の物を勝手に捨てることです。子から見ればガラクタでも、親にとっては思い出の詰まった品かもしれません。一度「勝手に捨てられた」と感じさせてしまうと、信頼を取り戻すのは大変で、片づけの話自体ができなくなります。
処分の判断は必ず本人に。時間がかかっても、その積み重ねが「この子となら整理を進めてもいい」という安心感につながります。
わが家の場合
父が亡くなったあとの実家の片づけは、母と2人がかりでも何か月もかかりました。いちばん堪えたのは量ではなく、「これは捨てていいのか」をいちいち推測しなければならないことでした。
その経験があって、いまは母と「元気なうちの片づけ」を少しずつ進めています。この前は茶箪笥の引き出し1つだけ。出てきた古い写真で話し込んで、片づけはほとんど進みませんでした。でも、それでいいのだと思います。話しながら把握していくこと自体が、この片づけの中身なのですから。
デジタルまわりの把握はデジタル遺品とは?親のスマホとネット口座、放置するとどうなるかにまとめています。モノの片づけとセットで進めるのがおすすめです。実家そのものの将来が気になり始めたら、実家が空き家になったら固定資産税が6倍?もどうぞ。
今日やることは、これだけ
- 次の帰省で片づける「1か所」を決める(引き出し1つでOK)
- 権利証・通帳・保険証券のありかを親に聞いてみる
- 「使う・思い出・不明」の箱を3つ用意する
