親が施設に入った、亡くなって実家が空いた、家族で住む人がいない。「とりあえずそのまま」にした実家は、想像以上のスピードで傷んでいきます。この記事では、誰も住まない実家の管理として、何を・どのくらいの頻度でやればいいのかを具体的に整理します。

結論:目安は「月1回・半日」
空き家の管理頻度は、月1回が目安とされています。毎週通う必要はありませんが、季節をまたいで放置すると、湿気・カビ・水回りの傷みが一気に進みます。1回あたりの作業は、慣れれば半日もかかりません。
| 作業 | 頻度 | 目安 |
|---|---|---|
| 換気(全部屋の窓・押入れを開ける) | 月1回 | 1〜2時間 |
| 通水(全部の蛇口から水を流す) | 月1回 | 各1分程度 |
| 郵便物の回収・整理 | 月1回 | 数分 |
| 外まわりの点検(雑草・屋根・雨どい) | 月1回+台風後 | 15分 |
| 雨漏り・侵入跡のチェック | 月1回 | 15分 |
このうち意外と知られていないのが通水です。水を流さないでいると、排水管の中の水(封水)が蒸発し、下水の悪臭や害虫が室内に上がってくる通り道ができてしまいます。全部の蛇口とトイレの水を流すだけなので、忘れずに。
火災保険は「空き家になった」連絡を
見落としやすいのが保険です。火災保険は「人が住んでいる家」を前提にした契約が多く、空き家になると条件が変わったり、そのままでは補償の対象外になったりする場合があります。
実家が空き家になったら、まず契約中の保険会社に「誰も住まなくなった」と連絡して、契約がこのまま有効か、空き家向けの契約に切り替える必要があるかを確認してください。放置したまま万一の火災や台風被害が起きて、保険が使えなかったというのが最悪のパターンです。
遠方で通えないときの選択肢
月1回でも、実家が遠方だと交通費と時間の負担は無視できません。現実的な選択肢はこのあたりです。
- 兄弟姉妹で分担する。「奇数月は自分、偶数月は妹」のように決めると続きます
- 近所の親戚・知人に郵便回収だけ頼み、換気・通水は帰省時にまとめてやる
- 自治体のシルバー人材センターや空き家管理サービスに委託する(月数千円程度からの見回りサービスが各地にあります)
大事なのは、「管理しきれない」と感じ始めたときに、それを実家の今後を考えるサインにすることです。管理の負担が重いなら、残す・手放すの考え方を家族で話すタイミングかもしれません。放置だけは、固定資産税のリスクも含めて一番損な選択です。
わが家の場合
母の実家(私にとっての祖父母の家)が数年空き家だった時期があります。当時は管理の知識がなく、半年ぶりに開けた家の湿気とカビの匂いは今でも忘れません。畳は波打ち、押入れの布団は処分するしかありませんでした。
家は住まなくなった瞬間から傷み始める。あの経験があるから、実家の話は「空き家になってから」ではなく「なる前から」考えておくべきだと思っています。
今日やることは、これだけ
- 実家が空き家になったら、まず保険会社に連絡すると覚えておく
- 月1回の管理を誰がやるか、家族で仮の分担を決めておく
- 実家の地域の空き家管理サービスの相場を調べておく
