親が施設に入ったら、実家はどうする?残す・手放すの考え方

親が施設に入ったら、実家はどうする?残す・手放すの考え方

親が老人ホームなどの施設に入ることになったとき、多くの家族が直面するのが「誰も住まなくなる実家をどうするか」です。感情とお金の両方が絡む、答えの出しにくい問題。この記事では、残す場合と手放す場合それぞれの考え方と、判断の前に知っておきたい注意点を整理します。

目次

結論:急いで結論を出さなくていい。ただし「放置」だけは避ける

まずお伝えしたいのは、施設入居と同時に実家の結論を出す必要はないということです。親の気持ちの整理、家族の話し合い、荷物の整理。どれも時間がかかって当然です。

ただし、「決められないから何もしない」は別の話です。誰も住まない家は傷むのが早く、放置が続けば固定資産税が上がるリスクもあります。「まだ決めない」を選ぶなら、月1回の換気・通水などの管理はセットで始めてください。

残す?手放す?それぞれの特徴

施設入居後の実家を残す場合と手放す場合の比較図解

残す選択には、「親の帰る場所を保てる」という何よりの価値があります。施設が合わなかった場合の受け皿にもなりますし、外泊時に過ごす場所にもなる。一方で、固定資産税と管理の手間は続きます。貸して収入を得る道もありますが、荷物の整理や修繕、借り手との関係など、実務の負担は小さくありません。

手放す選択は、管理と税の負担から解放され、まとまったお金を施設費用に充てられるのが大きな利点です。ただし当然、戻る場所はなくなります。親自身の気持ちの区切りがつくまでは、急がないほうがいい選択です。

手放すなら知っておきたい「税の期限」

売却を視野に入れる場合、ひとつだけ早めに知っておきたいことがあります。マイホームを売ったときの税の特例(3,000万円特別控除)には期限があり、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までの売却が要件のひとつとされています。

つまり「いつか売るつもり」のまま年月が経つと、使えたはずの特例が使えなくなる可能性があるのです。適用には細かい要件があり、施設入居のケースは判断が分かれる部分もあるため、売却を考え始めたら早めに税理士か税務署に相談してください。ここでは「期限のある特例が存在する」ことだけ覚えておけば十分です。

判断の前にやっておきたい3つのこと

  1. 親の気持ちを聞く。「家をどうしたいか」は、本人がいちばん言い出しにくい話題です。終活の切り出し方の要領で、少しずつで構いません
  2. 荷物の整理を始める。残すにも貸すにも売るにも、必ず通る道です。実家の片づけの進め方を参考に、貴重品と書類のありかの把握から
  3. 維持費を書き出す。固定資産税・光熱費の基本料・火災保険・管理の交通費。「残す」のコストを数字にすると、家族の話し合いが具体的になります

わが家の場合

母はまだ実家で元気に暮らしていますが、「もし施設に入ることになったら、この家どうしたい?」は、先日の帰省で初めて聞いてみました。

母の答えは「そのときは好きにしていいけど、庭の金木犀だけは残念ね」でした。結論でも何でもない一言ですが、母がこの家の何を大事にしているかを初めて知りました。こういう断片を集めておくことが、いざ判断するときの家族の指針になるのだと思います。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 実家の維持費(税・保険・光熱費)を一度書き出してみる
  • 親に「この家の何がいちばん大事?」を聞いてみる
  • 売却の可能性が少しでもあるなら、税の特例の期限を頭に入れておく

出典

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この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

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