親の年金、いくら?金額が書いてある3枚の紙と、聞き方

親の年金、いくら?金額が書いてある3枚の紙と、聞き方

施設の費用が月いくらまでなら払えるのか。実家を残せるのか。判断の土台になるのは親の収入で、その中心はたいてい年金です。ところが金額を知らないまま話が進む家が多いと思います。どこに書いてあるのか、どうやって確かめるのかを整理します。

目次

結論。子が代わりに取り寄せることはできません

まず現実的なところから。年金の記録や金額は本人のものです。ねんきんネットも本人が登録して本人が見るもので、子が代わりにログインして確認する仕組みにはなっていません。

つまり道は一つで、親の手元に届いている紙を見せてもらうことになります。金額が書いてある紙は、おおよそ次の3つです。

  • 年金額改定通知書・年金振込通知書(毎年6月に届く)
  • 公的年金等の源泉徴収票(毎年1月に届く)
  • 年金証書・年金決定通知書(受給が始まったときに一度だけ)

3つ目は受給開始時の書類なので、何年も前のものになります。いま確かめるなら上の2つです。

6月の通知書と、1月の源泉徴収票

6月に届く通知書と1月に届く源泉徴収票で分かることの違いを比べた図

日本年金機構は毎年6月に、年金受給者へ年金額改定通知書と年金振込通知書を送っています。令和8年分は6月3日から6月10日にかけて順次発送されました。改定後の金額は年金額改定通知書で、変更後の振込額は年金振込通知書で知らせる、という作りです。年金と年金生活者支援給付金を両方受け取っている人には、ひとつにまとめた大判はがきが届きます。

もうひとつが、毎年1月に届く公的年金等の源泉徴収票です。厚生年金保険や国民年金などの老齢または退職を支給事由とする年金を受け取った人に送られるもので、支払われた年金の金額と、源泉徴収された所得税額が書かれています。1年分がまとまっているので、年額をつかむにはこちらが早いです。

親の確定申告を考えるときにも使う紙なので、1月のはがきは捨てないよう伝えておくと二度手間が減ります。

なお、6月の通知書はねんきんネットでも確認できます。本人がすでに登録しているなら、画面を一緒に見せてもらうのがいちばん手早い方法です。

ねんきん定期便では、分からないことがあります

ここは誤解しやすいところです。

ねんきん定期便は毎年誕生月に届きますが、これは主に現役で加入している人に向けたものです。50歳以上の加入者には老齢年金の見込額が載ります。一方、すでに年金を受け取っている人に送られるのは、直近1年間に被保険者期間がある場合に限られます。しかも記載されるのは月別の状況、保険料納付額、年金加入期間で、受け取っている年金の額は載りません。

働いていない75歳の親に「ねんきん定期便を見せて」と頼んでも、そもそも届いていないことになります。

親がまだ働いている場合は、ひとつ知っておきたい変更があります。令和7年の年金制度改正により、令和8年4月から、賃金と老齢厚生年金の合計で年金が減額される基準額が月51万円から65万円に引き上げられました。働きながら受け取っている親は、金額が変わっている可能性があります。

金額より先に、支払いのリズムを知っておく

年金は毎月振り込まれるものだと思っていると、家計の見方がずれます。

日本年金機構によると、年金は原則として年6回、偶数月の15日に支払われます。15日が土日祝日なら、その直前の平日です。そして各支払月に振り込まれるのは、その前月までの2か月分。4月の振込は2月分と3月分、ということになります。

施設の利用料は毎月引き落とされます。入ってくるのは2か月に1回、出ていくのは毎月。奇数月に残高が細る家計になるので、ひと月分の余裕があるかどうかが実際の判断材料になります。

そして年金の額は、費用そのものにも効いてきます。特養の食費と居住費を下げる負担限度額認定も、介護の自己負担に上限をかける高額介護サービス費も、収入や所得の区分で決まる仕組みです。親の年金額を知らないままでは、どの区分に入るのかも見当がつきません。

試算だけなら、厚生労働省が公的年金シミュレーターという無料のツールを公開しています。ただしこれは将来の見込みを簡易に計算するためのもので、いま受け取っている額を調べるものではありません。実額は紙で確かめてください。個別の相談は年金事務所へ。相談は無料です。

わが家の場合

編集部の一人は、母の年金額を知りません。聞いたことがないからです。

父が亡くなったとき、母の遺族厚生年金の手続きには付き添いました。それでも「いくらになったのか」は聞かずじまいでした。お金の話を切り出すと、こちらが当てにしていると思われそうで。

今年は6月のはがきが来る頃に帰省する予定です。金額を教えてと言うのではなく、「この通知書、毎年来るんだよね。一緒に見ていい?」から入ろうと思っています。紙を挟むと、少し聞きやすくなる気がしています。

NEXT STEP

今日やることは、これだけ

  • 6月か1月に親の家に届いているはがきを、次の帰省で探してみる
  • 「捨てないで取っておいて」とだけ先に伝えておく
  • 親がねんきんネットに登録しているかどうかを、一度聞いてみる

出典

  • 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額をお知らせする『年金額改定通知書』、『年金振込通知書』の発送を行います」 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202606/060302.html
  • 日本年金機構「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」 https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/20150331-05.html
  • 日本年金機構「『公的年金等の源泉徴収票』について」 https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/gensen.html
  • 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」 https://www.nenkin.go.jp/section/faq/jukyu/uketori/uketori/shiharaiduki/20140421-01.html
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この記事を書いた人

中心メンバーは、数年前に父を見送った40代の会社員。デジタル遺品や実家の整理で「準備しておけばよかった」と痛感した経験から、同じ立場の方に向けて、親の「もしも」に少しずつ備えるための情報を集めて記事にしています。

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